実行委員長兼プロデューサー鈴木雷太から参加者の皆さまへ
「100%の安全」をみんなで実現しよう!
長文ですがぜひ読んでください!
アルプスあづみのセンチュリーライドは、おかげさまで今年11年目となります。昨年に引き続いてチャリティエントリー付きの寄付クラスを設けましたが、幸い今年も昨年以上に多くの方のご賛同をいただくことができました。
今年もいよいよ来週に桜のAACRが開催されます。参加される皆さまには、本当の意味でアルプスあづみのセンチュリーライドの趣旨を理解して、安全走行に心がけていただきたいと思います。
私は毎年皆さまと一緒に走ります。参加してくださったことへの感謝を伝え、一緒に自転車を走る喜びを分かち合いたいと思っています。しかし、いつの間にか「一時停止してください!」「交通ルールを守って走っていただけないと大会が続けられません!」という声かけが多くなってしまいます。
アルプスあづみのセンチュリーライドでは、4年前から「100%の安全」を掲げ、安全走行の動画を掲載したり、参加案内には安全走行の手引きを記載したりするようにしています。オープニングイベントやスタート前にも「交通ルールを守って走ってください!」とお願いをしています。
自転車で道路を走るときに特に危険なのは「右折」です。そのため信号のある交差点では2段階右折をすること、T字路(特にト字)の右折は、信号が無くても必ず一時停止して後方の安全を確保してから曲がることを強くお願いをしています。もちろん趣旨を理解してしっかり安全走行をしていただいている方もいらっしゃいますが、残念ながら実際に守っていただいている方は半数にも届きません。
ルート設定の際に「危険予想個所は回避しよう、右折は極力減らそう」と何度も試走をしてできたのが今のルートです。2段階右折や一時停止の箇所は実はかなり少ないのです。そのわずかなところさえ守られないとなると、あとは全面通行止めするしかありません。
7年前から始めた車検制度にしても、「100%の安全」にしても、参加者自身がアルプスあづみのセンチュリーライドを本当に楽しんでいただくために必要なことです。整備不良でトラブルが起きてしまったら完走することができません。いくら素晴らしい景色を堪能して気持ちよく走ることができても、事故がおきてしまったら取り返しがつきません。きちんと整備された自転車で、安全走行をして、無事家にたどりついてはじめて「楽しかった」が完結します。
アルプスあづみのセンチュリーライドのサポートライダーは、パンクの際にもできるだけ「次は自分で修理できるよう手助けをする」というスタンスでいます。「イベントでお金を払っているんだからサポートしてもらって当たり前」かもしれません。しかし、その人は自分一人で走っていてパンクしたらどうするのでしょうか?一般道にはいないサポートライダーの助けを待っているのでしょうか。
私たちは「アルプスあづみのセンチュリーライドに参加した人は、自分一人でも安全にロングライドを走れるようになって欲しい」と願っています。この素晴らしい自転車という乗り物をイベントの時だけでなく楽しんで欲しい、そう思っています。そのためには最小限パンク修理は自分でできるほうがいいですよね。
アルプスあづみのセンチュリーライドには自転車業界の皆さんにも多数ご参加いただいています。土曜日はブース出展ですが日曜日に走るのが楽しみ、と皆さんおっしゃってくださいます。ところが自転車業界の皆さんは「100%の安全」を100%理解して模範となるような安全走行をしているか?というと残念ながらそうではありません。「某ブランドのスタッフが、ものすごいスピードで信号無視して走っていった」という目撃談を聞くことも珍しくありません。自転車の楽しさを誰よりも知り、自転車文化を広めるのが使命の「業界人」が、安全走行していない。これでは自転車が社会に認められるわけがありません。
私は、自転車と出会ったことで人生が開けました。選手として五輪に出場することができ、選手を引退した後は、「日本にもっと自転車文化を広めたい」と思って自転車店の経営、イベントのプロデュース、五輪の監督など、日々取り組んでいます。
手探りで始めたアルプスあづみのセンチュリーライドが10周年を迎え、参加者は1回目の136人の30倍近くになりました。ですが、一番大事なことは参加者が増えることではありません。サイクリストがみんな当たり前に安全走行をして、地域の皆さんに受け入れられ歓迎されて、アルプスあづみのを自転車で走る喜びがサイクリストと地域の人とで共有できていること、すなわち「アルプスあづみのに自転車文化が根付き、花開く」ことこそが大事なのです。
参加される皆様にどうかこの思いが届きますように!
アルプスあづみのセンチュリーライド実行委員長兼プロデューサー
鈴木 雷太